
赤ちゃんが実際に喜んだ!0歳向け「絵本」人気ランキングBest10【2019年版】

監修
加藤美穂子先生一般社団法人子どもの読書サポートアシード代表理事
赤ちゃん絵本の第一人者。著書に『赤ちゃんが大好きな絵本(河出書房新社)』
赤ちゃんが目でキョロキョロ何かを追ったり音に反応したり、さまざまな事に興味を持ち始めると、「そろそろ絵本を読んであげたいな」と思うママ&パパは多いかもしれません。でも、どんな絵本が赤ちゃんに向いているのか、いつからどんな風に読み聞かせてあげたらいいのか、わからないこともたくさん。
そこで今回は、一般社団法人子どもの読書サポート・アシード代表理事の加藤美穂子さんに監修いただき、0歳の赤ちゃんが実際にどんな絵本を好んだのか、満2歳までの先輩ママ&パパ348人にリサーチ。赤ちゃんに人気の絵本ベスト10を発表します!
読み聞かせのコツや始め時のサインについてなど、絵本に関する素朴なギモンについてもお聞きしました。

調査概要
- 調査期間:2019年5月23日~2019年6月17日
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:348
*回答比率(%)は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります。
*複数回答の質問については、回答比率の合計が100%を超える場合があります。
半数以上のママが生後3か月までに読み聞かせをスタート!


まず、初めて赤ちゃんに絵本の読み聞かせをした時期についてお聞きしたところ、もっとも多かった回答が「お腹の中に居る頃から(20.1%)」。続いて、「生後3か月(17.5%)」「生後0か月(14.9%)」「生後2か月(14.7%)」と、半数以上のママが生後3か月までの早い段階から読み聞かせをスタートしていることがわかりました。これについて「これから出産を迎える方が声に出して絵本を読むことで気分転換やリラックスができ、心の平安につながっているとしたらとてもいいですね」と加藤さん。絵本を読む時間は、ママと赤ちゃんの両方にとってかけがえのないひとときになっているようです。
また、読み聞かせをスタートしたきっかけについても、1位は「赤ちゃんとコミュニケーションを取りたかったから(59.2%)」という結果となり、絵本を赤ちゃんと心を通わせ合うツールとして考えているママが多いことがわかりました。
さらに、3位の「赤ちゃんが色や音などに反応するようになったから(34.2%)」、4位の「赤ちゃんが起きている時間が増えてきたから(26.4%)」にあるように、赤ちゃんの成長の様子を見て判断したという人も。
そこで、読み聞かせのスタートに適切な月齢があるのかを伺ったところ、「とくに決まった月齢はありません。赤ちゃんは産まれた瞬間から目と耳がすさまじく発達するので、早いうちからスタートすれば目と耳への良い刺激になるのでは」と加藤さん。
読み聞かせのきっかけとなる赤ちゃんのサインについては、「目で物を追ったり、じぃーっと見つめるようになったら、視力がついてきた証拠。スタートのサインと見ることができます」とのこと。赤ちゃんの“目の動き”はひとつのサインになるようです。また、「ママの顔を見てにっこり笑いだす3か月過ぎになると、物との焦点が合ってきて絵本もしっかり見られるようになるので、始めるタイミングとしてはわかりやすいかもしれませんよ」とのことでした。
初めから赤ちゃんに合う絵本はない!? その子に合う絵本の選び方

続いて、赤ちゃん(0歳児)のための絵本はどのような基準で選んでいるかをお聞きしたところ、「色使いが鮮やかではっきりしている(72.1%)」、「擬音語・擬声語などリズムのよい単語が出てくる(43.4%)」、「絵が大きく描かれている(37.1%)」と、上位3つは赤ちゃんの視覚や聴覚に訴えかける絵本であることがわかりました。
また、4位に「昔から人気のあるロングセラー(27.0%)」が入っているところを見ると、“とりあえず定番”という安心感や信頼感から絵本を選ぶママも多いように見受けられます。わが子に合う絵本を選ぶにはどうしたらよいのでしょうか?
「初めから合う本というものは存在しないかもしれません。何回も繰り返し読んでもらううちに好きになり、結果的にそれがその子に合う本となっていきます。ちょっと読んでみて、『反応が無いから好きじゃないのかも…』と、すぐに諦めるのはもったいない! 月齢が低い場合、読み聞かせの軌道に乗るまで時間がかかることが多いですから、少し長い目で見ていきましょう」(加藤さん)
もちろん、ママが好みの絵本を選ぶのもOK。それに加えて、あえて色々な本を読み聞かせてあげると、“世界の広がり”を体験させてあげることができます。思いもよらなかった意外な本に出会うことで、ママの視野も広がるかもしれませんよ。
0歳の赤ちゃんが実際に喜んだ絵本は?人気の絵本ランキングベスト10

かがくいひろし
松谷みよ子
かしわらあきお
まついのりこ
きむらゆういち
監修・開一夫
三浦太郎
実際にママ&パパが読み聞かせをして、赤ちゃんに喜んでもらえた絵本がどれだったのかをお聞きしたところ、トップ10は上記のような結果となりました! 1位の「だるまさんが」は、“一番”反応がよかった絵本でもナンバーワンに。人気の高さが伺えます。
この結果について加藤さんにお聞きしたところ、「だるまさんが」が赤ちゃんを魅了する秘密として、
- 思わず体を揺らしたくなるリズム
- 繰り返しの言葉とオノマトペ
- 暖かな赤色で統一された色彩
- 登場するのがだるまさんだけというわかりやすさ
- 変化する表情の面白さ
などが挙げられるとのこと。
また、かつて作者のかがくいひろしさんに『だるまさんシリーズ』が誕生したいきさつをお伺いしたことがあるそうで、「パステルを削った粉を指で何度も紙に丁寧に擦り込みながら、すべてのあかちゃんを楽しく笑わせたいという思いでこの本を世に送り出した」とおっしゃっていたそう。その思いが今でも赤ちゃんにも届いていると思うと、とても温かな気持ちになりますね。
加藤さんが伝授!絵本の読み聞かせでよくある“困った”の解決法
赤ちゃんとのコミュニケーションに最適な絵本。楽しいひとときにするために先輩ママ達がどのような工夫をしていたのかをお聞きしたところ、「抑揚をつけたり、大きな声ではっきりと読むようにした」「膝の上に乗せて、ストーリーに合わせて揺らしたりした」「文字以外でも絵の情景などについても語りかけるようにした」という意見が多く見られました。赤ちゃんに喜んでもらうために、できるだけ五感を刺激するように読み進めていたことが伺えます。その他にも読み聞かせで気をつけた方が良いことはあるのでしょうか?
「少しの時間でもいいので、読み聞かせを日課にできたらいいですね。もちろん機嫌の良いときに行い、無理強いは禁物。それと、絵本と目の距離はとくに大事です。25〜30cmの焦点距離を取りましょう。絵が歪んで見えることのないよう、きちんとページを開いて絵を見せてあげることも大切。ページ毎に赤ちゃんが、絵と言葉が一致できるように心を配りましょう。そのためには、絵をきちんと見せてから、言葉を読んでみてください。いちいちママの顔を見ながらの時期もありますから、その時は、『絵本って楽しいね』という気持ちで、笑顔を返してあげてくださいね。赤ちゃんの表情に注意すると、ページをめくるタイミングが見えてきます。ページめくりが早すぎると、自分でページをめくって遊ぶことが楽しくなり、絵を見ようとしなくなるので注意です」(加藤さん)
また、絵本の読み聞かせの際に困ったことについて、加藤さんに解決法をお聞きしました。
Q:絵本に手を伸ばしてくれるのはうれしいけれど、すぐに口に持って行ったり、ページをぐしゃっと握り潰されたりしたのが困りました…。やめさせるべき? (埼玉県/33歳/第1子)
A:「本は大事だいじ、食べられないのよ。かじってはダメね」と、どうか言葉で伝えて下さい。“言葉の通じる子、言ってわかる子”に育ってもらうためには、いくら月齢が低くても、まず言葉で伝えていくことが大事です。破くのが楽しい時期には、頑丈なボードブックがおすすめです。
Q:途中で飽きてしまった場合や、他に興味が移ってちゃんと読み聞かせられない時はどうしたらいい? (神奈川県/34歳/第1子)
A:その本が自分に合わないと、赤ちゃんが判断したということですね。止めていいですよ。見る気がないのに読んでも意味はありません。でも、いま合わないというだけで、しばらくたったら興味が復活することもありますから、間を置いて再チャレンジしてみて下さい。
Q:赤ちゃんの反応がなくてもどんどん読み進めていいの? (福岡県/37歳/第2子)
A:とくに初めての本は、赤ちゃんは受け止めて吸収するのが精いっぱいで、反応が出せないことが多いです。嫌がらないで見て聞いているのであれば、読み進めて大丈夫です。
Q:早く次のページが見たいようで、読んでいる途中でページをめくられてしまいます…。 (栃木県/24歳/第2子)
A:絵をしっかり見て言葉を聞いて、絵と言葉を一致させながら読み進めるという読み聞かせのシステムに、まだ気づいていないだけですね。いまの時点では、言葉に意識は行っていなくて、ページをめくって遊ぶことを楽しんでいると思われます。絵をしっかり見ることに加えて、言葉をきちんと聞くという習慣ができれば、読み聞かせは成立するでしょう。普段から、しっかり顔を見て言葉かけしていれば大丈夫ですよ。
Q:どのような体勢で読ませたらいいか、いつも悩みます。膝に乗せたら顔が見えないし…。 (東京都/35歳/第1子)
A:絵本の読み聞かせはコミュニケーションです。楽しい思いを共有できるよう、赤ちゃんを膝にのせて“斜め抱き”すると、お互いの表情が見えていいですね。ページをめくるタイミングもわかりますし、赤ちゃんがママの口の形を見ることで、日本語を覚えていくきっかけも作れます。
Q:絵本の対象年齢や月齢の目安がよく分かりません。 (福岡県/34歳/第1子)
A:ネットの絵本サイトや、赤ちゃん絵本ガイドブックなどで、一般的な情報は入手できます。その上で、色々な実物を手に取って見て、読み聞かせするのがおすすめ。何度か読んでいるうちに、赤ちゃん自身で自分に合った本を見つけてくれます。公共図書館や子育て支援施設など、無料で絵本を利用できるところが役に立ちますよ。相談に乗ってくれる絵本のプロもいて頼りになります。
Q:読み聞かせは単調に読んだ方がいいのか、抑揚をつけた方がいいのか…。結局自分の読みたいようにオリジナルで読んでいますが、本当はどう読んだらいいのでしょうか? (大阪府/30歳/第1子)
A:抑揚は、赤ちゃんが思わず振り向くくらい大げさにはしなくていいです。声は、活字が大きく印刷されている箇所は大きい声で、小さい箇所は小さい声で読むとか、声に高低をつけるとかで、充分抑揚がつきます。月齢が低いほど、読むスピードはゆっくりと丁寧に。赤ちゃんは絵と言葉の両方から実体を理解していきます。そのためには、赤ちゃんが絵を注視しているときは、ページめくりを待って絵をじっくり見せてあげて下さいね。読むスピードやページめくりのタイミングは、赤ちゃんの表情からわかりますので、赤ちゃんを観察しながら、ゆったりとした気持ちで対応しましょう。
Q:同じ本を何度も読むのと、違う本をたくさん読むのとでは、それぞれ赤ちゃんにどんな良いことがあるのか知りたい! (大阪府/32歳/第1子)
A:“違う本を次々と与える中でお気に入りを見つけ、お気に入りは繰り返す”が理想です。繰り返し読む中で、発見や気付きに出会い、理解や記憶が確かなものになっていきます。
まとめ
絵本を通じて赤ちゃんとより良いコミュニケーションを取りたいと願うママが多いことがわかりました。それゆえに、「正しい読み聞かせってどうしたらいいの?」と悩む側面も。「正しい読み聞かせにとらわれ窮屈な思いをしては、貴重なふれあいの時間がもったいないことになります。何よりも楽しい読み聞かせの方が有意義で、持続すると思います」と加藤さんがおっしゃるように、あまり頭でっかちにならず、目の前にいる赤ちゃんとの触れ合いを第一に考えるのがよいかもしれません。
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