
妊婦さん&ママ1,300名が「男性の育休」について本音で回答!【ニンプスラボアンケート調査】
男性の育児休業(育休)を義務化する要望が出たり、現職の大臣が育休を取得したりするなど昨今、男性の育休に対して注目が集まっています。そこでニンプスラボでは、妊婦さんと産後のママを対象にアンケート調査を行い、1,300名を超える方々からご回答をいただきました。
この記事ではその一部をご紹介いたします。これから出産を迎える妊婦さんと出産を経験した産後ママとの、育休への考え方の違いにもご注目ください。

トピックス
- パートナーに育休を「取ってほしい」妊婦さんは6割以上、しかし実際に「取る予定がある」人は2割に満たず
- パートナーが育休を取ったママの9割が「取ってよかった」と回答
- 「当時に戻れるならパートナーにも育休を取ってほしい」育児を経験したママの本音
- 男性の育休についてどう思う? 自由回答を抜粋
- 「取るだけ育休」問題もあるが…
調査概要
- 調査対象:妊婦さん・産後のママ
- 調査期間:2020年2月12日~2月26日
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:1,337名(妊婦さん331名、産後のママ1,006名)
**回答比率(%)は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります。
*複数回答の質問については、回答比率の合計が100%を超える場合があります。

背景
「6.16%」これは厚生労働省が発表した最新(2018年)の、日本における男性の育児休業取得率です(※1)。2016年の取得率3.16%と比較して約2倍になっているとはいえ、1割にもまだ遠い状況です。
妊娠中に変化した女性の体は産後、「産じょく期」と呼ばれる時期を経て回復していきます。体が回復しきれていない中での家事や、慣れない育児を女性を、パートナーが育休を取ることでサポートをする。男性の育休には、このような役割が期待されていると考えられます。
前述の通り、日本の男性の育休取得率は非常に低い状態にあります。当事者である妊婦さんや産後のママたちはどう考えているのでしょうか。彼女たちの本音を探るべく、ニンプスラボではアンケートを行いました。
〈参考〉 (※1)平成30年度雇用均等基本調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-30r.html
調査結果
◆パートナーに育休を「取ってほしい」妊婦さんは6割以上、しかし実際に「取る予定がある」人は2割に満たず
妊婦さんに「産後、パートナーに育休を取ってもらいたいと思いますか?」と質問したところ、61.9%の方が「取ってもらいたい」と回答しました。しかし、「育休を取る予定がありますか?」との質問に「ある」と答えたのは17.8%のみ。理想と現実にはまだまだ差があるようです。
(回答数: 331 )

(回答数: 331 )

なお、「パートナーが育休を取る予定」と答えた人に対し、「どれくらいの期間取る予定ですか?」と自由回答で尋ねたところ、最も多かったのは「1週間」という答え。次いで僅差で「1カ月」でした。もっとも長かったのは「1年」、そう答えた人が10人ほどいたことは驚きでした。
◆パートナーが育休を取ったママの9割が「取ってよかった」と回答
同様の質問を産後のママにもしたところ、パートナーが「育休を取らなかった」人が約8割、取った人が約2割と、取る・取らないについては妊婦さんとほぼ同じ割合になりました。
(回答数: 1006 )

注目すべきは「パートナーが育休を取った」という人に「パートナーが育休を取ってよかったと思いますか?」と質問したところ、ほぼ全員が「取ってよかった」と回答しました。
(回答数: 207 )

理由を尋ねたところ、「実際に一日中赤ちゃんと一緒に過ごしてもらうことで、パパの自覚が芽生えると共に、愛情も育ったと思うから。また、赤ちゃんと過ごすことがどんなに大変か身をもって体感してもらえたから」「赤ちゃんの成長を二人で喜べるし、相談できることが多く安心感に繋がった」など、男性が育休を取った結果、その後の生活にも良い影響があったことが伺える回答が多く寄せられました。
〈パートナーが育休を取って良かった理由〉(一部抜粋)
- 家族の絆が深まったと思う。育児の大変さも理解してもらうきっかけになった
- 産後、すぐに動けるわけではないので、手続きなど代わりにしてもらうのに助かった
- 自分の休む時間が取れた
- 子育て以外のことを考えたりする時間が出来て良かった
- パパと一緒に育児をすることでストレスが無くなりました
- 通院が遠方だったので、ついてきてもらえて助かりました。産後なので長距離運転も怖かったのでパートナーに運転してもらえてよかった
- 女性にとっても育児休業は休暇ではないことを実感してもらえる
- 産後の、なかなか思うように動けない時に家事をしてもらえた。子育てを一緒にスタートできた
- 些細な育児の不安や悩みを2人で考える事ができたので、気持ちに余裕を持って生活する事ができた。本当に良かった
- 赤ちゃんの様子を一緒に見てもらえたのは良かったと思う。でも、仕事が滞ってさらに忙しそうな姿をみるともっといい方法がないのかと感じた
〈パートナーの育休が良くなかった理由〉(一部抜粋)
- 家事の負担が増えただけだった
- 本当に必要な日ではなく、必要ない日に休みを取ったので意味が無かった
- 育休として使ってくれなかった
- 結局家事も育児も私の比重が大きくなり、体を休められなかったし、産後のメンタルで小さなことでも気になりパパ育休中の喧嘩が絶えなかった。母に家事を任せ、赤ちゃんのお世話のみする生活の方が私には合っていた
- もっとまとめて長期とってほしい
◆「当時に戻れるならパートナーにも育休を取ってほしい」育児を経験したママの本音
パートナーが育休を取らない予定の妊婦さんに「育休を取らないことに不安はありますか?」と質問したところ、62%の人が「不安はない」と答えていました。パートナーが育休を取らなくても不安を感じない妊婦さんは意外に多いようです。
(回答数: 208 )

しかし、パートナーが育休を取らなかった産後のママに「もしも当時に戻れるなら、パートナーに育休を取ってほしいですか?」と尋ねたところ、「取ってほしい」と答えた人が66.5%と多数派に。
(回答数: 779 )

その理由については「いてくれるだけで安心できた」「大人がひとりいるだけで環境が変わる」など、「パートナーが家にいることによって安心感を得られる」というメリットが多く寄せられていました。
「育休を取ってほしい」と答えたママたちの中には先ほどの妊婦さんたちのように「パートナーが育休を取らなくても不安はない」と答えていた人がいたかもしれません。
しかし、慣れない育児を1人で経験し、心細さや不安を感じて「一緒にいてほしい」と考えるようになった人もいることでしょう。男性の育休の必要性をどう感じるかは、育児経験の有無によっても変わってくるようです。
〈産後のママがパートナーに育休を取ってほしかった理由〉(一部抜粋)
- 普段家にいる時間が少ないので、ゆっくり向き合う時間が欲しい
- いたら安心感がある
- 二人で大変な時期をのりこえたい
- 一番しんどい時にそれを一緒に体験することで、父親の自覚が少しでも早く芽生えそう
- 子の成長は本当にあっという間なので一緒に味わってほしい
- 最低でもはじめの1ヶ月はとても寝不足になるので協力してほしい。できれば3ヶ月
- 産後で身体も疲れているのに、赤ちゃんを夜も関係なく、あやさなければいけない。それをパートナーと協力しながら出来れば身体への負担も減ると思う
- 少しでも助けになると思う、一日でもいいから1人の時間がほしい
- どちらでも良いかなと思うが、2人目だったら上の子もいるし取ってもらった方が良いのかも?と思う
- 子育ての貴重な時間を一緒に協力して過ごしたい
- 最初の可愛い時期に一緒にいれないのはやっぱり寂しそうだった
- お母さんの大変さを少しでもわかって欲しい
- 産後ボロボロで1人ではすごくしんどかったのでとってほしかった
◆男性の育休についてどう思う? 自由回答を抜粋
最後に、男性の育休についていただいた意見をまとめてご紹介します。
育休制度も欲しいが、育休を取ると若干給料が減るので、それもまた困る。男性の育休制度は難しい問題だと思います。(24歳/北海道/第2子)
職場では夫の育休制度が充実しているところもあるけれど、実際はとるだけ育休の夫が多いという番組を見たことがあり、とるだけなら、男性は育休を取る必要がないのではないかという印象を持つ人も多いと思う。夫婦で協力して、話し合って子育てできたらいいのになと、常常おもいます(27歳/鳥取県/第2子)
出産時だけじゃなくて、子供が大きくなっても取れるといい。職場の中堅の人達が率先して取ってくれたら、若手も取りやすいと思う(31歳/愛知県/第3子)
制度がわかりづらい。周りにとった人がいない場合どこに相談したらよいかわからない。(32歳/千葉県/第1子)
反対されるような会社があること、悲しく思います。親になることを祝ってくれる社会になってほしい。(28歳/東京都/第2子)
旦那さんの昇給試験が来年あり、元々は育休をとってもらおうかなと思っていたが本人が嫌がり話し合いの末なしになりました。(28歳/東京都/第1子)
夫曰く、社内の男性も育休は取っている人がいるということなので安心している。一時期、男性が育休取得によって不利な配置転換をされたというニュースもあり少し心配していたが、時代が少しづつ変わってきたのかな、と思った。(33歳/神奈川県/第1子)
何故とりにくいのか、こんなに批判されるのかわからない。 有給も使えてないし、1日も育児休暇が取れないなんて意味がわからない。(38歳/大阪府/第3子)
家事全般ができる人なら有効だとおもうが、そうでない場合は、普段勤務時間終了したら帰宅するという方が助かる。(37歳/青森県/第2子)
育休は3ヶ月程の長期間のイメージがあるが、生後2ヶ月ごろの慣れてきたころに1~2週間程度の休みがあればと思った。 収入の面もあるため自由に選択ができるようになってほしい。(27歳/兵庫県/第1子)
育休を取っても母乳育児だと結局ママは離れられない。夫の分まで家事が増えてかえってしんどいので、育休は必要ない。(30歳/大阪府/第1子)
前例がないので第1号は特に取りにくい。取得させた会社側にも国から補助金が出る等、メリットがあるようにしてほしい。そうすればまだ言い出しやすくなるかも。(38歳/大阪府/第1子)
男性だからというのではなく、夫婦共通して取得するのが普通な世の中になってほしい。 復帰後女性が時短で働くというのもおかしいと思う。(31歳/千葉県/第1子)
普段から手伝う人ならいいと思うけど普段から何もしない人なら邪魔でしかないとおもう(30歳/千葉県/第2子)
公務員なのでとりやすく、手当もでますが、収入が減るのはやはり苦しいですね。(29歳/山口県/第3子)
給料がさがるならあまり意味がないと思う。(28歳/福岡県/第2子)
私は4月に出産予定日です。夫には育児休暇を取らずにテレワークをして貰って少し手伝ってもらう程度にしてもらう予定で今月から週1~3日家で仕事をしています。育休だと給料に影響が出たり四六時中そばにいられるのも私が疲れるので育休だけではなく働き方改革でテレワークがもっと広がればいいなと思います。(24歳/千葉県/第1子)
帰宅時間を1時間早めたりできるだけでも違うと思う。育休のとりやすい環境になってほしい。(29歳/千葉県/第1子)
育休をとった=イクメンとは思わないで欲しい。(29歳/岐阜県/第2子)
育休を取ればいいというものではなく、子育てを自分ごととしてする意識が大切だと思っています。(31歳/東京都/第1子)
まずとってくれ。つべこべいわずに。(23歳/青森県/第1子)
自営業なので育休制度がないのですが、そういう人達にも国からサポートしてもらえるようになれば嬉しい。(35歳/東京都/第1子)
上の子の時は育休取得率を上げるために、強制的に1日だけ休みを取らされた。育休取得率が高くても本来の目的とは違う取り方をしていると思うと当てにならないと思った(32歳/兵庫県/第3子)
生まれた後は10日ほど休む予定ですが、育休という形で休んでしまうと給料がダウンしてしまう。普通に有給で10日休んでもらうことにしました。お金も必要!(27歳/愛知県/第1子)
夫の会社では育休を取得実績がなかったので、夫に育休取得をお願いした際は「周りに迷惑が掛かるから無理だよ」と返事があり、半ば諦めていました。 そういう男性は多いんだろうなーと感じます。 臨月に入り、休める段取りをしてきたと言われたときはとても有り難く、実際に育休中は授乳以外は何でもやってくれました。子どもは夫にとても懐いておりますし、今でも2人で育児しているという実感があります。(35歳/千葉県/第2子)
育休をとれる会社は多くなってきているが、実際に育休をとる父親本人がなにをすればいいのか、どうしたらいいのかわかっていない。父親教室にも行っているが、育休についての講話はない。赤ちゃんがいる生活を具体的にイメージできる講話、講習が必要だし、人形ではなく実際の赤ちゃんと触れられる機会があればいいと思う。(33歳/北海道/第1子)
◆「取るだけ育休」問題もあるが…
男性の育休を「必要」と答えた人は、妊婦さんとママを合わせても全体の6割に過ぎませんでした。すなわち4割は少なくとも「必要とは思わない」と考えているということになります。自由回答にも「夫がいても負担が増えるだけ」という意見が見られました。昨今では「取るだけ育休」と呼ばれる、形ばかりで実際には何もしない育休の取得も問題になっています。
しかし本アンケートでは、実際にパートナーが育休を取った人のうち、9割は「取ってよかった」と回答しています。男性の育休が本当に求められているか否か、それはこの数字に表れているのではないでしょうか。
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